千早の夏 雪歩の冬

440 名前: 千早の夏 [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 16:15:44 0
765プロが倒産した後、家に居場所がないとかなんとかで、千早は俺のアパートに転がり込んできた。
 なんだこいつ。職失ってバイトでギリギリ生活してる俺をなんだと思っていやがる。
 確かに昔プロデュースはしてやったし、そこそこのアイドルには育てた。
 しかしやたらと歌いたがるし、休みの日だってわざわざ俺のところまで来て歌を聴かせに来るんだ。
 休みの日まで歌ってるんじゃねえ、ゆっくりしてろよ。
 …まあ、昔のよしみもあるし、少しの間なら我慢するか、と泊めてやることにした。
 それでウチに居座るんだったら何か役に立てと家事をやらせてみたがまるで駄目。
 「本当になんもできねえなオマエ」
 「………」
 「学校も中退しちまってよ。その上家事もできないとか…お先真っ暗だぞ」
 「………」
 それでも一生懸命って態度を捨てようとしないから腹が立つ。
 無能加減に我慢できなくなって蹴りを入れてやったら一晩中ぐずり泣く始末。
 バイト終わって夜遅く帰っても夕飯用意して待ってたりとか。女房気分ですか。
 「…その上、飯がマズいんだよ」
 「す、すみません、あ、あの、私…」
 だが、そんな千早でも少しは役に立つことがあるんだ。


441 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 16:16:35 0
 昼からカーテンを締め切った薄暗い部屋の中、千早の白い裸体が蠢く。
 くたびれた布団の上、四つん這いになった千早の華奢な身体。
 布団の脇では扇風機が回っているが、それでも暑く、千早のなめらかな背中には薄く汗が浮いていた。
 扇風機の送風を浮け、枕もとに置いたティッシュがカサカサと揺れている。
 「あの……ゴム…」
 「面倒くさい」
 千早の要求を一蹴すると、俺は千早の腰に手をかけた。
 アイドル崩れの無能女には愛撫なんていらないよな。
 ぐぐぐ、と無理に押し込む。
 「くっ……い、痛っ…うぐっ…」
 俺は構わず腰を振り始める。
 「痛いんなら事前にオナニーでもして濡らしとけ。めんどくせえ女だな!」
 「………すみま、せ…くっ……痛っ…」
 扇風機の稼働音に混じって、ペチンペチン、と肉と肉のぶつかる、規則的で、安っぽい音が響いていた。
 「…………」
 千早は無言だ。バックの体勢を取っているからどんな顔をしているかもわからない。
 かすかに外からアブラゼミの鳴き声が聞こえてくる。
 首都圏では近年数が減ったが、それでも毎年夏には湧いて出る。
 蝉達は、まるで自分の声が自慢だとばかりに鳴いていた。
 いや、それが生きることと直結した行為だとは知っているが、それでも五月蝿く感じる。
 「あー。ちっちゃいマンコ気持ちいい。千早はマンコだけは役に立つよねー」
 「…………」
 「ダンスもルックス駄目駄目の雑魚ドルだったけどさ…ここに来てやっと人並みだね」
 「………………」
 「ま、あのまま続けてても大したことなかっただろうし。今この状態が才能相応ってとこだろうなぁ」
 「……………ぅ………」
 「自慢してたわりに、歌もイマイチだったよなー」
 「…っ!…………うぅっ…くっ……ぐすっ………」
 「あーあ、泣いちゃったよ」


442 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 16:17:27 0
 千早のすすり泣きと肉と肉のぶつかる音、扇風機の稼働音をBGMに、緩いペースで突き続ける。
 突く度にガクガクと揺れる千早の華奢過ぎる身体。胸がない上、肋骨が浮き出ている。
 ぺちんぺちんぺちんぺちんぺちん。
 ひたすら突いている内に、結合部から水音が漏れ始めた。
 どうやら勝手に濡れ始めたらしい。
 「…ァ……はあ…ふぅっ…アっ…」
 千早の口から吐息に混じって喘ぎ声が吐き出される。
 「なに感じてんだよオマエ」
 言いながら千早の小振りな二つの乳房を握りつぶす。
 「いィッ、痛い!やめてくださいっ」
 「しッかし千早のオッパイは大きくならないね。こうして揉んでやってるのにさァ」
 手の力を弱め、今度はふにふにと優しく揉んでやる。腰の動きも若干速くする。
 「ん…ぅんん…」
 「妊娠したら大きくなるかなァ」
 「…だ、駄目ですっ…あっ…妊娠なんてぇ…んんっ……」
 なにか千早の声が甘ったるいのが気に入らない。
 「なに言ってんだよ、今更。今まで何回中出ししたことか」
 ぺちんぺちん。じゅぽっじゅぽっ。
 「で、でもっ…あっ…あん…あっあっあっあっあっ」
 腰のストロークを一気に速め、文句言を封じる。


443 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 16:18:13 0
 千早の甲高い喘ぎ声と腰のぶつかる音が混じり合う。
 これ録音してCD出したら千早の歌なんかより売れるんじゃないかな、とかプロデューサーだった頃の思考が顔を覗かせる。
 射精感が限界まで高まる。千早もイキそうなのか、腟内がビクビクと震えていた。
 「あ。やべー。もう出そうだわー」
 「だ、だめッ!うわっあっアっあっ!なかはぁっおっおっオオッ!おっ」
 汚い喘ぎだなあ。
 千早が逃げないように背後からのし掛かって動きを止め、腰だけを高速で動かす。
 ぺちぺちぺちぺちぺちぺちぺち。
 「あ、出そう」
 「だ、だしてもっいいからぁ!せめてっアっせめて最後はっあっ顔見ながらあっあうっあああっあっ」
 「やだよ。オマエの顔見ると萎えるし」
 ペニスを限界まで奥に突き込み、射精。
 「うぐうっ…」
 なんか千早が苦しそうな声出したけど気にしない。
 「ふぅ…」
 出すもの出したらすぐに引き抜く。
 「…あぅぅ…」
 千早は布団の上にうつぶせに崩れ落ちた。顔を枕に埋め、肩を震わせている。
 どうやら泣いているようだった。
 俺は千早の腟口から白濁液が流れ出す様子をしばらくぼんやりと眺めていた。
 ふとカーテンの隙間から射し込む光がオレンジに染まっているのに気付き、今日は夕方から約束があるのを思い出した。
 泣き顔の千早にペニスをしゃぶらせて綺麗にすると、身体をタオルで拭き、765プロ時代に着ていたスーツを身に着ける。

444 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 16:19:13 0
 スーツなんて着るのは数ヶ月ぶりだ。
 千早はそんな俺をぼんやりと、不思議そうな目で見ていた。
 「ああ、今日は雪歩の家に行くんだよ。食事会」
 「……?」
 俺は仕方なく説明してやった。
 「言ってなかったっけ?もう結婚間近なんだよね、雪歩と」
 「……えっ?えっ?どういう…えっ?」
 千早はわけがわからないという顔をしている。まったく事情が飲み込めていないらしい。
 そりゃ、そうだ。765プロ時代から俺と雪歩の関係は秘密だったし。
 とはいっても、まだ雪歩は処女だ。それどころかキスもまだ。結婚前にはしないって約束だしな。
 悶々としてたとき、便利な生体オナホが転がり込んできてくれて助かったよ。
 「雪歩のお父さんも娘にゃ甘いね。『娘が決めたことなら』なんて言ってさ。これで貧乏生活ともおサラバ」
 「??…?」
 わけがわからないというより、わけをわかりたくないといった様子の千早。
 俺は言葉を続けた。
 「これからは雪歩の家に住むことになるかなあ、俺。あ、このアパートはあと何週間かで引き払うからね」
 「…じ、じゃ、じゃあ、あ、あの、わたし…わた…わたっ」
 「雪歩と結婚するまでだと思って住ませてやっただけだよ」
 「やっ…嫌…わたしっ…!」
 「千早だって居場所があればどこでもよかったんでしょ。次は社長の家にでも行けば?家族に逃げられて寂しい思いしてるらしいよ」

445 名前: おわり [sage] 投稿日: 2009/07/17(金) 16:20:27 0
 「ちがっ…わ、わたし、わたしあなたのこと好きだっ…たから…だからっ…ココッ、ここに…!」
 千早はだらだらと涙を流しながらそんなことを言う。
 面倒くさいなあ。
 「ふぅん。じゃ、俺、行くから」
 「う…あ…ああ……うわああああああああああああああああああ!!」
 千早が俺の足にしがみつく。完全に狂ってやがるなコイツ。
 顔面に拳を叩き込む。鼻血が流れ出る。それでも離さない。
 身体中ボコボコにしたら、千早はやっと離してくれた。
 千早はあちこちを赤く腫らし、前歯が折れ、失禁していた。
 「…今日は九時頃には帰るから、それまでに部屋ん中ちゃんと掃除しとけよ」
 痛みに呻き、自らの小便の中でうずくまる千早を一瞥し、俺は部屋を出る。
 今まで暗い部屋の中にいたせいで、夕焼けのオレンジが妙に目に痛かった。
 運動して腹も減らしたし、萩原家のご馳走も目一杯食べられそうだな。
 バス停に向かって歩いていると、ふと、電信柱にとまっていた蝉が飛び立つのが見えた。
 その蝉はどうしたわけか俺の方へ飛んでくる。俺を止まり木と間違えたか。
 俺はとっさに身をかわした。蝉はバランスを失ったように地面に落ちた。
 地面に落ちた蝉は小便を垂らしながらこちらへと這ってくる。
 俺は蝉を蹴飛ばした。脚が何本かもげたが、それでも蝉はこちらへ向かってきた。
 気味が悪くなって蝉に背を向け、目的地へと歩き出す。
 「しっかし暑いな。早く冬になんねーかな。雪の降る季節にさ」
 なにか胸に落ちた不安を払うように、独り言ちた。

千早の夏 了


555 名前: 雪歩の冬 [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 15:44:30 0
 わたし、萩原雪歩は幸せでした。
 高校生、しかも元アイドルという身分で結婚したため、色々大変なこともありましたが、それでも間違いなく幸せでした。
 優しい家族とアイドル時代の仲間がいて、そしてなによりも大好きな旦那様が傍にいたからです。
 その旦那様とは、昔はわたしのプロデューサーで、それでいて恋人でもあった人です。
 …夜。
 真冬の夜は冷えます。でも、二人で身を寄せていれば暖かいんです。
 わたしの家。わたしたち夫婦に割り当てられた一室。
 障子越しにわたしたちを照らす月の光。
 はしたない声は出していないつもりなんです。
 …でも毎朝お父さんが渋い顔をしているから、たぶんはしたない声を出しているんでしょうね。
 あの人の肩越しに見上げる天井は幼い頃から見慣れた天井で、その天井とあの人が同じ視界に見えることが、わたしにとっては嬉しいことでした。
 「雪歩っ雪歩っ」
 わたしの名を呼ぶアあの人の動きが、一層激しくなってゆきます。
 互いの身体を密着させるように、わたしは両腕であの人を引き寄せました。
 「あ、愛してますっ!大好きッ」
 「雪歩っ!イイぞ!マンコきゅうきゅう締まってるっ!」
 あの人の動きがせわしなくなって来ました。
 わたしは、あの人の射精の時が迫っているのだということに気付きました。
 それくらいには、夜の生活にも慣れてきていたんです。
 「でっ、出るんですっねっ!出ちゃうんですねっ」


556 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 15:45:28 0
 あの人は切羽詰まったように腰を滅茶苦茶に動かしています。それに伴ってわたしに与える快感も大きくなって。
 「出すぞ!雪歩の中に出すぞ!」
 「は、はひィ!」
 「雪歩ッ!いい子を孕めよッ!」
 ずん、と鈍い衝撃。
 「ひィっ……!」
 あの人のオチンチンがわたしの最奥に突き込まれたその瞬間、わたしは達しました。
 頭が真っ白になるような、どこか怖いような、そんな感覚。
 あの人はわたしの上にのし掛かったまま、身体を微かに震わせています。
 射精している最中なのだろうと、達した後のぼんやりとした頭でそう認識しました。
 落ち着くまで、わたしはあの人をぎゅうっと抱き締めていました。
 でも、あの人もわたしを抱き締めていてくれます。
 わたしは、幸せでした。
 だけど、その幸せには不安の影が常につきまとっていたのです。


557 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 15:46:10 0
 ***

 …そう、千早ちゃん。
 千早ちゃんは、わたしたちの結婚式に来てくれませんでした。
 765プロのみんなや、他のプロダクションのライバルたち、今は大変なアルコール中毒と闘っている元社長でさえ来てくれたのに、彼女だけが来てくれなかったのです。
 アイドル時代、千早ちゃんとは仲が良かっただけに、悲しくて仕方がありませんでした。
 しかし彼女は、新婚旅行から帰ったわたしたちの前に姿を現しました。
 ぼろぼろで、やせ細って、歌をうたっていた頃からは想像もつかないような変わり果てた姿で、我が家の門前に倒れていたのです。
 わたしが必死で説得すると、お父さんは、住むところがないと云う千早ちゃんを家に置くことを許してくれました。
 そうして千早ちゃんは、わたしがアイドル時代に使っていた離れに住むことになりました。
 お父さんがわたしの歌の練習のために防音工事をしてくれた離れです。
 あの人は、ときどき、ふと思い出したように、その離れに行ってしまうことがありました。
 いえ、千早ちゃんに会うなとは言えません。彼女は精神的にも参っていて、支えを必要としているのです。わたしもよく離れを訪れて、彼女を励ましていました。


558 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 15:46:57 0
 わたしだって彼女を助けてあげたい。歌をうたっていた頃の彼女に戻って欲しい。
 だけど、ある日、二人でお茶を飲んでいたときのこと、千早ちゃんはわたしにこう言ったのです。
 『わたし、プロデューサーのこと、好きだった』
 わたしの左手の薬指…そこにある結婚指輪をじっと見つめながらそう言うのです。
 『そ、そうなんだ』
 わたしは左手を隠しながら、愛想笑いを浮かべるしかできませんでした。
 千早ちゃんは体調さえ回復したものの、瞳の奥にはなにか暗いものを秘めてたように感じます。
 彼女はその暗い目で、あの人を見るのです。なにか欲望の篭ったような、そんな目で。
 だから、彼が千早ちゃんに会いに離れへ行ってしまうのがひどく不安でならなかった。
 だって、千早ちゃんは綺麗だし、わたしなんかよりずっと頭もいいし。
 離れで何が起きているのか。あの人があそこに行ったっきり一晩中帰ってこないことがあるのはなぜなのか。彼は話し込んでいるうちに眠り込んでしまうんだと言っていました。でも、もしかすると。もしかしたら。いえ、きっと。
 「雪歩のお茶は美味しいなあ」
 「あ、ありがとうございます」
 「…さて、千早の様子でも見てくるかな」
 「……はい」
 暗い想像を抱いてしまう自分に嫌悪感を抱きつつ、その夜、私はこっそりと離れへ向かうあの人の後を追いました。
 ひどく怖かったけれど、本人に問いただすなんてわたしにはできないのだから、こうするしかなかったのです。アイドル時代に培った勇気も、すべて失ってしまったように感じられました。


559 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 15:47:38 0
 月明りは明るく、中庭を横切って離れへ向かうあの人の背中も、はっきりと見えます。吐く息は白く、冬らしい冷たく澄んだ空気が肌で感じられました。
 どういうわけか、あの人は離れの鍵を持っていて、手慣れた様子で解錠し、内部へと姿を消してしまいます。
 離れに入ったあの人は、内側からドアに鍵をかけてしまいました。
 しかしこの離れはもともとわたしが使っていたものなので、もちろんわたしも鍵を持っています。
 わたしはできるだけ音のしないようにゆっくりと鍵を回し、離れへと侵入しました。
 離れにはちょっとした広さがあり、歌の練習用の部屋の他に、トイレやお風呂、物置部屋なんかも備えています。
 千早ちゃんは練習部屋を寝室として利用していましたが、玄関からその部屋に入るには、廊下を少し進み、もう一つドアを開かなければなりません。
 短い廊下を静かに進むと、その練習部屋のドアを少しだけ開き、はしたないことだと自己嫌悪しつつも、わたしはドアの隙間から部屋の中を覗き込みました。

 ***

 わたしは、ただ呆然とそれを見守ることしかできませんでした。 
 かつてわたしが歌っていたその部屋で、あの人と千早ちゃんが、繋がっていたのです。
 「あっおっおっおっおっオっおぉっ」
 歌とは似ても似つかないひどく下品な声を上げて、千早ちゃんが喘いでいます。


560 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 15:48:27 0
 信じがたいことでした。信じたくないことでした。しかし部屋の照明は明るく、しっかりと見えてしまうのです。
 そして二人がしているのはわたしの知っている夜の行為とは違っているようでした。
 あの人のオチンチンが入っているのは千里さんのお尻の穴だったのです。
 千早ちゃんは仰向けに横たわり、お尻の下に枕を入れて腰の位置を高くして、お尻の穴にオチンチンが入りやすい体勢を取っていました。
 「ふぅ…次は前の穴でするかな」
 しばらくお尻の穴にオチンチンを出し入れした後、あの人はオチンチンを千早ちゃんから引き抜きました。
 引き抜かれたあの人のオチンチンは、千早ちゃんの腸液でぬらぬらと光っています。
 千早ちゃんの顔は涙と唾液と鼻水とでぐちゃぐちゃになっていました。
 彼女はそのぐちゃぐちゃの顔で、くちびるの端をヒクつかせて笑うのです。
 「ふ、ふふふ…私のマンコはガバガバで嫌なのでは?」
 「だからこーするんだよ」
 あの人はオチンチンを千早ちゃんのおめこに突き込むと、両手を千早ちゃんの首にかけました。
 「あー、やべー、よく締まるわー」
 「カッ………っ……」
 ひたすらに首を絞め腰を振るあの人。千早ちゃんの疲れる度に身体はガクガクと揺れています。
 「ウッグッ…グッ…ッ…カハッ…!」
 苦しそうに呻く千早ちゃんの腕があの人の背中に回り、ガリガリと幾筋も引っかき傷を作りました。
 それでもあの人は首を絞めながら腰を振り続けます。
 やがて千早ちゃんは白目を剥き、口から泡を吹き始めました。


561 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 15:49:11 0
 「雪歩にゃこういうことできねーからなー。それにどうも千早はいじめたくなるんだよなー」
 千早ちゃんの身体がビクビクと痙攣し始め、尿道からはチョロチョロとオシッコが流れ始めます。
 「お、死んじゃいそう?ま、わざわざ俺と雪歩の新婚生活邪魔しに来たんだから当然だわな。せいぜい苦しめ」
 腰の速さが一際速くなります。あ、もう出すんだ…、私はぼうっとした意識の中、そう思いました。
 「あ、そろそろイクから」
 「………!!」
 言いながら、あの人は力任せに腰を押し込みます。
 その一突きで、千早ちゃんは音も無く大量の吐瀉物を吐き出しました。
 腰を突き込んだまま、しばし静止したあと、あの人は首にかけた手を離し、オチンチンを引き抜きます。数秒してから、緩くなった千早ちゃんのおめこから精液が流れ出してきました。
 千早ちゃんは激しく咳き込みながら薄い胸を上下させ、苦しそうに息を吸い込んでいます。
 わたしはただ、千早ちゃんの呼吸が整ってゆく様子をぼうっと眺めていました。千早ちゃんの呼吸が整うのとは反比例に、わたしの鼓動は激しくなってゆきます。段々と湧いてきた現実感。確実に芽生えてゆく絶望感。
 目の前が真っ暗になって、わたしは思わず目を伏せてしまいました。ドアの向こうには見たくないものしかなかったのです。
 涙で視界が歪みます。なぜ。……ああ、なぜこんなことになってしまったのでしょうか。
 袖で涙を拭い、顔を上げると、瞬間、ドアの向こうの千早ちゃんと目が遭いました。あの暗い炎の目。
 わたしは逃げ出しました。ただ、そうすることしかできなかったのです。


562 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 15:49:57 0

 ***

 それから数日が経ちました。
 あの人とまともに話をすることもできず。千早ちゃんと話せるわけもなく。
 ひどい腹痛に耐えながら、愛想笑いでお茶を濁す。そんな日々が続いていました。
 いつ終わるとも知れない日々。
 だけど、どのような日々にも終わりは来るものです。
 ちょうど、初雪の降った夜のことでした。
 わたしは、旧765ビルのオフィスに立っていました。
 かつて貧乏ながらも活気に溢れたオフィスには、もう人の熱はなく、備品の残骸や破れたポスターが散乱しています。
 ひび割れた窓ガラスには、ガムテープで貼られた765の文字。
 窓越しに外を見下ろせば、深々と降る雪と町の雑踏が見えます。
 『相談があるの、765プロのオフィスで待ってる。他の人には聞かれたくないから』
 千早ちゃんにそう言われたとき、わたしの胸に広がったのは、不安と恐怖、それにほんの少しの希望でした。
 窓の外を眺めていると、あの頃のことを思い出します。
 社長、スタッフ、仲間、プロデューサー。みんなの顔が浮かびます。
 初めてここへ来た日も、そしてここを去った日のことも、鮮明に思い出せました。


563 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 15:50:40 0
 「雪歩、来たのね」
 振り返ると、そこには千早ちゃんが立っていました。
 「千早ちゃん…あ、あの相談があるって…あの…」
 声が裏返っているのが自分でもわかります。
 千早ちゃんはゆらりゆらりと薄暗いオフィスをこちらへ向かって歩いて来ました。
 床に散らばっていた企画書がグシャリと踏み潰されました。企画書の表紙にはかつての仲間…春香ちゃんの名前。それに、プロデューサー…あの人の名前も。
 「まったく、わかってない」
 「え?」
 目の前に迫る千早ちゃんは妙に無表情で、怖くて、わたしは思わず後ずさってしまいました。背中に窓ガラスが当たり、逃げ場を失う。次の瞬間には千早ちゃんはわたしの眼前まで迫ってきていました。
 「普段から穴の中が好きだったよね」
 千早ちゃんの左手が視界を塞ぐ。その手はわたしの顔を鷲?みにし、まるで握り潰そうとするかのように、力を込めてギリギリと締め上げてきます。
 「墓穴にでも埋まってなさい」
 その後のことはよく憶えていません。
 窓ガラスを叩き割る千早ちゃんの右の拳。
 逆さになり、急降下する景色。
 騒然となる町並み。駆け寄る人々。
 降りしきる白い雪。
 雪の降る夜のことでした。

565 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 16:24:52 0
***

 それから数ヶ月が経って、季節はもう、春でした。
 と、いっても、わたしにはもう季節なんて関係ないのですが。
 「雪歩っ雪歩っ」 
 いつものように、あの人はわたしのおめこにオチンチンを出し入れしています。
 毎晩のように繰り返す夫婦の営み。
 でも、わたしには、かつてのように彼を抱き締めることはできません。
 あのとき千早ちゃんに突き落とされて地面に叩きつけられたおかげで、首から下がまったく動かなくなってしまったです。
 もはや、わたしに残された道は、人形のように彼の思い通りになることだけなのでしょう。
 視覚や聴覚、味覚など、首から上の器官が司る感覚はまだ生きていました。しかし首から下はもう感覚すらないのです。
 それはセックスというより、ただ彼がわたしで自慰をしているだけ、という方が正しいのでしょう。
 「ほら雪歩っ、出るぞっ」
 抗議などできるはずもありませんでした。一度舌を噛んで自殺しようとしたとき、すべて歯を抜かれてしまい、まともに喋ることもできないのです。あのときためらわず本気で舌を噛み切っていたらどんなによかったか、と今ではそう思います。
 「ほうひひゃ…ほうひひゃ…」
 もういや。そう訴えても、もう言葉は通じないのです。
 悲しいはずなのに涙さえ流れない。既に流す涙さえ涸れ果ててしまったのでしょうか。
 「……ひひゃ…ほう…」
 「なに言ってるかわかんないよ雪歩…」
 わたしの胎内への射精を終えたあの人は、今度はわたしの隣に横たわっていた千早ちゃんに覆い被さりました。


566 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 16:26:26 0
 千早ちゃんは全身アザまみれで、左腕と両足を失っていました。
 両足は、わたしを突き落とした罰としてあの人に切断されました。
 あのときの千早ちゃんの悲鳴は、今でも耳にこびりついて離れません。
 一方、左腕は、ほんの数日前、千早ちゃんがわたしの指を食べてしまった罰として切られてしまいました。
 千早ちゃんが食べたのは、わたしの左手の薬指でした。
 『もう痛くもないんでしょ』
 そう言いながらわたしの指を噛み切る千早ちゃんの顔は、ニヤニヤと歪んで、狂気染みた色に染まっていました。血が溢れて肉が切れ、白い骨が覘く。わたしはその一部始終を凝視しながら、ひたすらに悲鳴を上げて、ただあの人がやって来るのを待つしかありませんでした。
 婚約指輪も指と一緒に飲み込まれて、それっきりです。たぶんウンチと一緒に出したあと、千早ちゃんがどこかへ隠してしまったのでしょう。
 「あっあんっ…あっ」
 「人並みによがってんじゃねーよ!このクソがッ」
 あの人は千早ちゃん正常位で犯しながら、たくさんお腹を殴りました。
 「ウッ!…グッ!」
 「なんだあ?腹筋たるんでますよォ!オラ!コノっ!」
 わたしはそれを横目で眺めるだけ。それしかできません。もうどうでもよくなっていました。
 あんなに殴られたら痛いんだろうなあ、なんて漠然と思ってしまいます。


567 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 16:32:33 0
 千早ちゃんとあの人が絡み合っている向こうには、冬から出しっぱなしになっている石油ストーブが見えました。
 部屋の片付けなんて誰もしないのだから当然です。
 「うっ…ギッ」
 何度も何度も殴られながら、千早ちゃんは残った右腕を必死にあの人の首に手を回し、しがみつこうとしています。
 「ヒッ!ウッ……あっあうっ」
 千早ちゃんは殴られる度に苦痛の声を上げ、オチンチンで突かれる度に喜悦の声を漏らしていました。
 いくら彼女が大きな声を上げようと、その声は誰にも届きません。
 あの事件の後、わたしたち三人は離れで暮らすようになっていました。音という要素において完全に外界と遮断されたこの場所で。
 『少しでも静かに過ごしたいんです』
 あの人はお父さんにそう言って、ここで暮らす許可をもらったのです。お父さんも家族のみんなも、わたしたちに気を遣ってここを訪れることはありませんでした。
 …まさかこの場所でこんな狂気に染まった日常が繰り返されているとは、想像もしていないでしょうね。
 千早ちゃんについてはもう家を出たことになっていましたから、この離れにわたしと彼以外の人がいることさえ知らないのです。
 また、あの人は、わたしには、突き落とした犯人が千早ちゃんだということは警察には言うなと指示していました。
 『司法の枠では不可能な、もっといい罰の与え方があるから』と。
 わたしはその指示に従いました。
 だから、本当は、千早ちゃんが酷い目にあうのは、嬉しかったんです。千早ちゃんの苦痛は、もう『終わった』わたしの人生での唯一の楽しみだったんです。
 「オマエがいなけりゃ全て上手くいってたんだ!クソ!」
 「ひっ、あっ…も、もともと、あなたが悪い、んです、よっ…おっ!」
 「なにがだっ」
 「わ、私を弄んでおいて、そ、れっで、捨てたりするからっ」
 「うっせえな!俺はもともと雪歩一筋だったんだよ!勝手にオマエが転がり込んできただけだろうが!」
 「ふっ、ふふふ…雪歩の家の財産一筋、だったんでしょう…?だから雪歩には優しくして…」
 「黙ってろ!俺は、俺はな!」
 あの人の拳が、何度も何度も千早ちゃんの下腹部を打ちます。
 それでも千早ちゃんの右腕はあの人の首のうしろに回されたままです。離したら負けだとばかりにしがみついているのです。
 「い、いい、い、今だって私を犯して悦んでるくせにィっ…くっ…」
 「うるさいっ」
 あの人にはもう千早ちゃんを殴る余裕もないようで、必死に腰を振っていました。
 二人とも汗だくで、獣みたいに交尾しています。
 千早ちゃんもそれに応えるように、右腕で必死に彼を抱き寄せています。
 「は、はげしっ…!で、でるんですか?でるんですね…!いいですよっ膣内で出して!」
 わたしはただ呆然とあの人が千早ちゃんの中に射精するところを眺めていました。
 千早ちゃんはうっとりとした表情を浮かべ、あの人にしがみついています。
 しかし突然あの人は千早ちゃんの顔面を思い切り殴りつけ、オチンチンを引き抜きました。
 気を失ったのか、千早ちゃんはピクリとも動かなくなってしまいました。
 「畜生…妊娠したら腹パンで流産させてやるからな…」
 気絶した千早ちゃんを眺めながら、彼はそう独り言ちます。
 それからあの人はわたしの無歯の口内にオチンチンを突っ込み、精液と愛液の混合液を拭い取りました。
 ひどく嫌悪感を煽る味でしたが、わたしには、ただそうされるがままであるしかないのです。
 オチンチンを噛み切ろうとしても歯の無いわたしの口では、ただ彼に程よい刺激を与えるだけなのですから。
 実際、あの人のオチンチンがまた大きくなってゆくのが感じられました。
 「雪歩、子ども作ろうな…お前は一生大事にするから。お父さんにも早く孫の顔見せてあげなきゃ」
 またあの人のオチンチンが入ってきました。いえ、『入ってきたようです』というのが正しいのでしょうか。
 とにかくあの人は再びわたしの木偶のような身体で遊び始めたのです。
 しばらくピストン運動をした後、射精したのか、あの人はわたしの身体から離れて行きました。
 「ちょっとコンビニ行ってくる」
 彼はそれだけを言い残し、服を身につけ、離れから出て行ってしまいました。


568 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 16:34:14 0

 ***

 しばらくの静寂が訪れ……、睡魔がわたしの感覚を支配し始めました。
 疲れた。もうどうでもいい。もうこのまま眠ってしまおう。
 …どれほど眠りについたかはわかりません。
 目が覚めたそのとき、わたしはあることに気付きました。
 ズリ、ズリ、となにかが床を擦るような音…。
 音の源へと目を向けると、千早ちゃんが右腕一本で床を這ってゆくのが見えました。
 その右手の薬指にはわたしの結婚指輪が輝いています。
 ゆっくりと、しかし確実に千早ちゃんは玄関の方へと這ってゆきました。
 逃げ出す気なのでしょうか。でも、どうせあの速度ではわたしの家の敷地を出る前に、帰って来たあの人と出くわして連れ戻されるに決まっています。
 千早ちゃんのおめこからは、あの人の出した精液が漏れ出して、床に白い線を引いていました。
 まるであの人を追いかけるかのように、千早ちゃんは姿を消しました。


569 名前: ('A`) [sage] 投稿日: 2009/07/25(土) 16:35:53 0
 ***

 ふと、なにかが焦げたような臭いに気が付きました。
 なんだろう…ステーキ?
 気になって、目だけであたりを見渡します。
 ……………。
 倒れた石油ストーブからは燃料が流れて出ていて。
 その側に転がったマッチ箱。
 炎に包まれたわたしの左足。
 熱くもない。痛くもない。
 よくわからないうちに炎が身体を伝って来る。まだ生きている顔の神経が熱気を感じ取っているけれど、ただそれだけ。
 身体が動かない。逃げられない。
 死にたいとさえ思っていたはずなのに。
 気付くと、わたしは必死にあの人の名を呼んでいました。助けを求めていました。
 もちろん歯の無い口では言葉になんてなりません。『奇声』という方がふさわしいのでしょう。
 助けて。助けて。
 いくら叫んでも、誰も来てはくれない。
 そのうち視界が真っ暗になって。耳も聞こえなくなって…。

雪歩の冬 了

  • 最終更新:2009-07-28 20:28:29

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